草笛日記

どんな事でも、好奇心の赴くままのブログです。

いまさらながら【沈黙】を読む

   

近い内に、アメリカ映画【沈黙】が来ると聞いた。
あの遠藤周作の作品の映画化らしい。
前評判が凄く良い。
原作者が言いたかったこと・・・神の沈黙は何故か・・・
というキリスト者なら必ず抱く疑問に正面から取り組んでいるらしい。
当然、日本におけるキリスト教信者への弾圧と抵抗が描かれているだろうが、
単なる歴史と惨劇を描いているだけではないらしい。

神の沈黙は何故かという永遠の謎に対峙した映画だという。
是非とも観たいと思った。

よくよく考えると、この小説を未だ読んでいなかった。
テーマもあらすじも知っているゆえの甘え。

恥ずかしながら、改めて、今、読んでいる。
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考えてみれば、中高大と、キリスト教主義の中で学んできた。
それなのに、キリスト教は馴染めなかった。
西欧的文化文明のすべてにちりばめられたこの思想を
常識以上に知っていたおかげで、少しは深く味わえたはずと思っている。
父親の選んだ【価値観の多様性を学ばせたい】とかいう理想は、
教養としては、無価値ではなかったと言えるかもしれない。

純真無垢?だった12歳からのキリスト教漬けの中でも馴染めない。
何故か?
おそらく日本人の血の中に受け入れられないものがあるんだと思う。
我が民族が持っている自然崇拝…多神教的精神・・・
自然に沿って生きることこそ大いなるものの意志だと信じて。

何より、その、楽観性にあると思うのは私の勝手な推測。
太平洋を取り巻く島々の民族共通の根っからの楽観性。
この世は天国!
明るく楽しく過ごそうぜ!
歌って踊って・・・憂さも不安もぶっ飛ばせ!
死んだら自然に帰るンサ!

キリスト教の持つ、徹底した内省的思想にはついていけないのだ。
反省したり、神の審判を恐れたり・・・許しを乞う日々の祈り。
本能的欲望の抑制をもって信仰の証としたり。

ね、環太平洋民族には耐えがたい。

弾圧や苦難の中に苦しんでいる人間に神様は救いを下されない。
苦難さえも神の与えたもう喜びだというんだから・・・。
『主よ、私の何がいけなかったのでしょう?』
『何故にかくも厳しい苦難をお与えなのでしょう?』
苦しみの果てに問う質問に常に沈黙している神様。

環太平洋民族には耐えられないんですよ。
西欧文明を学び信じ追っかけ近代化の進んだ日本においてさえ、
いまだに、キリスト教さんは、その布教と浸透に失敗している。
かといって、
戦後、なんとなく持っていた伝統的宗教心を取り戻す術もなく、
広がるのは、精神世界とはかけ離れた殺伐とした欲望のみ。
今に至って、勝手気ままな日本人が多く出現する理由のひとつかな?
せめて、『お天道様が見てる』ぐらいは持っていてほしい。

さて、【沈黙】の中で、
遠藤周作はなんと答えを見つけているのだろうか?




 



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佐藤愛子さんの新刊本



本の広告欄を毎日眺めている。    
先日、眼に着いたのが、
【九十歳。何がめでたい】。佐藤愛子さんの新刊本。
女性セブンに隔週で掲載されていたエッセイ?を
小学館が単行本に編集したものだそうだ。
久しぶりに見たお名前に惹かれて・・・

夜のウオーキング仲間が早速貸してくださった。
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相も変わらぬ元気の良い啖呵っぷりの健在にうれしくなる。
としても、年寄りの愚痴と言え無くも無い。
筆力と表現力で、面白おかしく、警告じみてさえあるけど
ようするに、時代の変化についていけない老女の愚痴と嘆き。
「あ~~~いやだよ嫌だよ、わたしゃ嫌だよ」 
その昔、私が子供の頃、ラジオから流れていた新作落語、
老女の、時代に取り残された嘆きそのまま。


身体の劣化が拍車をかけ、彼女の自虐的怒り嘆きは募る。
今の世に起こること、すべて、事物も人も・・
何もかも、腹立たしく、情けなく、心配になるようだ。(^_-)-☆

フォントが大きくて、読みやすいので一日で読了。
曽野綾子さんの説教じみた、ご意見でもなく、
大笑いを誘う場面もあるし、「そうそう」と、大いに共感もする。

90歳を超えてなおも、このエネルギー!
考えてみれば、凄いこと・・・。
私が、ぶつぶつブログで嘆く事柄と同じでも、
往年の大活躍あってこその説得力。
築いた業績とその重みが違うなあ・・なんてね。

ついでに・・・心に留めておきたい記事のご紹介。
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末期癌や、原因不明な病につけいる?高額治療や
訳の分からぬ薬や治癒の経験談。
前もって、知っておくのも大切かと・・。




読書・・・【母の遺産】

  

嫌な、重いテーマの本を読んでしまいました。
大仏次郎賞をうけたという【母の遺産】、中央文庫で上下に分冊。
著者は水村美苗さん。
12歳で渡米、イエール大学、大学院の仏文科を出た才媛。

たぶん、自伝的要素が深そう・・。
老いた母親の奇妙で哀しい生涯の果ての老醜、
振り回される50歳代の姉妹の理不尽な介護生活。
主人公の結婚生活の虚しさを重ねながら
寿命の延び過ぎた老親への介護医療の現実、
現代の中産階級が目の当たりにする親の家の処分と遺産の行方。
夫婦関係はもとより、いよいよ希薄になった家族意識。

日本が直面している残酷な事実の集積とその露呈。
それらは、読んでいて辛い。
でも、最後まで読ませるだけの魅力のある作品です。

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結末は…大甘。
愛の失せた夫と離婚して、
姉の遺産放棄により素敵なマンションを購入、
大学講師、翻訳家として独りの優雅な人生に踏み出す。
非常にラッキーな都合の良さ。
今の小説家にある、楽観主義が見えてしまいます。
…が、その方が良いから受賞したんでしょう。(^_-)-☆

ごめんなさい。エンデイングをばらして。
でも、お読みになることを勧めません。
まして、私のような、
老親介護はおわったものの、【明日は我が身】そのものなら。

この本を私に紹介した方は、
どうして、この本に巡り合ったのかしら。




 

雑誌、【暮らしの手帳】




いま、読んでいるのが【すてきなあなたに】大橋鎮子著
著者は「暮らしの手帖」社の社長として花森安治氏の片腕だった方。
ポケット版だけど揃えれば6冊。
それこそちょっとハイソな昭和の暮らしの断片。お薦め。
第二巻のカバー。 レトロでオシャレな雰囲気そのままの内容。
  
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以上、
ちょうど一年前の夏にアップした記事です。

NHK朝の連ドラ、「ととねえちゃん」はいよいよ佳境に入り、
花森安治氏をモデルにした編集長が活躍していますね。


花森安治氏は編集長で、大橋鎮子さんは社長さん。
第一号の表紙
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母も、毎号を楽しみにしていました。
確か、年に四冊の刊行でしたでしょうか。

第五号の表紙と、花森氏の写真・・女装は彼の主義主張?
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今朝の話題の直線裁ちのワンピースをあの時代の人たちは
名付けて・・アッパッパーと呼んでいました。

花森氏のイラストの、なんとロマンチックで、素朴で,温かいこと!
彼は、1911年生まれで、没したのは1978年。
未だ67歳だったのですね。もし、ご存命なら105歳?


昭和を駆け抜けた才人たちの訃報を聴く度に
ちょっと寂しいですね。









大橋鎮子氏・・・【暮らしの手帖】



4月からの朝のドラマは【とと姉ちゃん】?らしいですね。
今度も、実在のモデルが居らっしゃいます。
このブログでもご紹介したエッセイ集・・【素敵なあなたに】の著者
大橋鎮子さんです。
【暮らしの手帖】という、当時、非常に人気のあった雑誌を創刊した方。

昨年の9月にアップして居ました。
文庫本です。全六巻。
病床の友人に差し上げたので手元に在りません。
ブログからコピーしました。

シリーズもので読んでいるのが【すてきなあなたに】大橋鎮子著
著者は「暮らしの手帖」社の社長として花森安冶の片腕だった方。
ポケット版だけど揃えれば6冊。それこそちょっとハイソな昭和の暮らしの断片。お薦め。
第二巻のカバー。 レトロでオシャレな雰囲気そのままの内容。


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礼儀作法とか常識とか・・生活の知恵やセンスなどなど。
人とのかかわり合いの仕草など、今も見習いたいことが沢山。
大正九年生まれということは、我が母親と同じ。
当然、その挙措動作、価値観、美意識も。
だから惹かれるのかも?
とすれば、私が良しとする感性は彼女らの常識世界。
大正時代から戦前までのものかもしれない。

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あ、やっぱり・・・お鼻が立派!

ともかく、
この大橋鎮子さんが次の朝ドラのヒロインのモデル。
2012年に93歳で他界されたそうな。
楽しみです。