草笛日記

どんな事でも、好奇心の赴くままのブログです。

【黒書院の六兵衛】 浅田次郎著

日本経済新聞 朝刊の連載小説。
【黒書院の六兵衛】浅田次郎の、おそらく、乾坤の一擲だろうか。
読み応えのある小説が本日をもって
必ず、近いうちに刊行されて書店に並ぶだろう。

時代の変遷の中でどう生きるか・・?
従属する組織の激変のなかに在って、己の力量や誠意とは無関係に
流されざるを得ない個人の生きざま、持つべき矜持や尊厳を、
幕府から天皇への大政奉の短い数カ月の中に描ききっている。

薩長志士の目でもなければ、徳川の幕臣の眼からでもなく・・・

浅田次郎氏は何時でも印象的な作品を出し続けているが
この時代小説らしき背景の中で、個人の矜持を尊いものとして描いてくれた。


昨夜は仕事関係の重要なポストに在る方との会食。
一月末のパーテイーで冗談半分「一度お食事でも・・」の言葉を頂いた。
半分、忘れかけていたのだが・・・
腰の痛みも丁度消えたので喜んで東京まで数カ月ぶりに出かけた。

食事をしながら
私事、公事、些事、大事、・・・話題はあちこちと飛びながらも
常日頃の想いや、提案やら、要望やら、非難やら・・・の開示。
想いの丈とまでは行かないが・・差し支えのない程度に?
正直に申し上げさせていただいた。



帰宅して・・・
【黒書院の六兵衛】の最終章を読みながら
自分の身の処し方、終章におけるわが身の処し方に想いが至る。

時が流れ時代が変わり、価値観も、感性さえもが変化し
理解出来ないどころか、むしろ、不愉快なのは・・・誰の責任でも無い。
もちろん、自分を恥じたり責めたりする必要も無い。

全ては・・・生々流転。
時代の変遷としか言いようがない。
その変遷の中で齟齬を覚えるなら
それは、余りに長く居すぎたにすぎないのだ・・・・
それでも、【老兵は死なず、ただ消え去るのみ】ではなくて、
自己の矜持を貫き、後継者に確実に手渡しをする。


美しい江戸の夕暮れの中、江戸城を後にする主人公の姿は、
『的矢六兵衛は西の丸大手門を出ると、
広場に向こうて下り気味にかかる大手橋を
一歩づつ踏みしめるように渡った。
ひときわ重々しい足取りは、徳川三百年に生きた数知れぬ武士の魂を
肩衣の背に負うているようにも見えた。』

西の丸下広場に待ち受ける、家族、家の子、郎党に迎えられて・・・完。

作者の想いを具象化した六兵衛に、この上なく暖かい家庭が在る。
わが身をなぞらえるなど、おこがましいが、残るのは家族!
どう生きようが、家族だけがしっかりと見守っているという救い。


せっかく東京駅に行ったのに、食事処が八重洲口だったので、
リフレッシュした丸の内駅舎を観逃したのが返す返すも残念。





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Comment

今治りんどう says... "黒書院の六兵衛"
まるで映画のワンシーンのようです。

さるお方とのお会食よろしかったですね。

全部ストレス解消とはいかぬでしょうが
お体のほうも徐々にでも痛みが薄らいでいくのは
有難いことですね。
2013.04.18 10:05 | URL | #Sm/ug.UM [edit]
湘南ピース says... "【黒書院の六兵衛】 浅田次郎著"
たまたま小説とご自分がオーバーラップされて
色んな思いがこみ上げた事でしょう。

想像もつかない長い年月、一筋に身を削って
一つの事をやり遂げていらした草笛さん。
お見事です。
称賛以外の言葉はないでしょう。

草笛さんには暖かいご家族がいらっしゃいます。
何時でも帰れる素敵なお家もあります。
ゆっくりkお考えになって下さい。

後悔しないためにもご自身で決断されるよう
願っています。
ごめんなさいね。おこがましい事を言って、、、

2013.04.19 01:38 | URL | #- [edit]
今治りんどう says... "海老根蘭と笹子百合"
自然って素晴らしいです。
主がおられなくともお手入れなさったので
いつもお傍に、、、
1.5世帯は笑ってしまいますが
丈夫な立派なお家なんですね~
勿体ないです。
2013.04.20 09:16 | URL | #Sm/ug.UM [edit]
草笛 says... "今治りんどうさんへ"
> まるで映画のワンシーンのようです。

映画化されるかもしれませんね。
ただ・・・六兵衛は、じっと黒書院に威儀正しく座り込んでいるだけ。
周りの右往左往を描くしかないでしょうか。

会食・・・
いや、東京まで行くことも無かったかな。(^_-)-☆
2013.04.20 17:42 | URL | #- [edit]
草笛 says... "湘南ピースさんへ"
いつも暖かいコメントをありがとうございます。
> 想像もつかない長い年月、一筋に身を削って
> 一つの事をやり遂げていらした草笛さん。

これしかできなかったのですよ。(^u^)
ただ、子供相手の仕事は飽きることが無かったです。
エネルギーをもらって・・・感謝して・・・嬉しかったです。

でももう、疲れました。責任を負いきれないと言うことでしょうか。
特に、地震などを考えると老体に子供を守ることは出来かねます。
2013.04.20 17:45 | URL | #- [edit]
草笛 says... "今治りんどうさんへ"
自然界にも力関係が在るようですよ。
その年の、季節の環境によって、より適した者が残るようです。
でも根っこは消えないで残っている・・
去年は海老根が無かったように想うのです。
2013.04.20 17:48 | URL | #- [edit]

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