草笛日記

どんな事でも、好奇心の赴くままのブログです。

遺された者・・物・・・



『お婆さん歩きをしているから、人前で歌うのは止めたほうが良い』
と忠告してくれたのは、たったこの間、五月の末のこと。

従姉。イトコ会での最長老が、
13日、午後二時、突然亡くなった。

三日前の電話は、読了済みの本を送った宅急便へのお礼。、
『岸恵子の本【わりない恋】が届いたよ。
村上春樹の新刊も。良く買えたネ、売り切れだったのに。
一緒に入っていたクリームだけどアレルギーなので使えない。
今度来たらお返しするね・・』
麗らかで大きな声だった。


確かに、長い間、C型肝炎を患っていることは知っていたが、
進行した肝臓癌が壊れて出血して・・・とのこと。
ええ?癌だったんだ! 知らなかったよ~!。

『癌治療は不要』、
『最後まで家で過ごしたい』
『だから、検査は受けない』、

電話の度に朗らかに語っていた。
その通りに、いよいよ意識が無くなってからの、救急車による搬送。
でも、一日も入院せずに、その午後、鎮痛剤で眠り、
そのまま、召されて逝ったという。
享年80歳。


そして・・・私へと遺されていた物は
シャネルのブローチ。黒ミンクのロングコート。白ミンクのケープ。
『お姉さん、もうミンクなんて、重くて暑くて・・着れないよ』
涙よりも先に、口に出たのは憎まれ口。

2013061508520000.jpg

遺品の行く末をきちんと明記したうえでの整理整頓を済ませた
華やかで温か味のある居室の箪笥の中、《Y子へ》とありました。


バブル時代を謳歌した華麗なるキリギリス・・・
こうして、召されて逝きました。
想った通りの、願った通りの、終り方。


1人っ子の私にとっては、母とも姉とも言うべき人でした。
たまらなく淋しい。
今日になって・・・初めて泣きました。

  








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Comment

まりりんご says... ""
悲しみが癒えるのには時間がかかりますね。
私は2月に旅立った叔父の思い出が、未だにおりにふれて心をよぎります。20年以上会うこともなく旅立ったのにもかかわらず。

3・4年前に「エディット・ピアフ」という映画がありました。
ピアフはモルヒネ中毒で最晩年は、ロクに歩くこともままならなかったようでしたが、
それでも人前で歌う時は背筋を伸ばし魅力的な歌声だったようです。

草笛さんの歌を楽しみにしている方もおられると思います。

2013.06.16 14:19 | URL | #- [edit]
今治りんどう says... "遺された者  物"
3日前のお電話はお元気そうなお声だったとか、、、
急な事ゆえ悲しみも深い事とお悔やみ申しあげます。

思い出のものをちゃんと整理されてのお覚悟は
如何ばかりだったでしょう。

とても出来ることではありません。
心の落ち着くのをお待ちしています。
2013.06.16 16:50 | URL | #Sm/ug.UM [edit]
湘南ピース says... "遺された者・・物・・・"
3日前までお元気な様子でしたのに、
お悲しみは如何許りかとお察し申し上げます。
80歳はまだまだでしたのに残念です。

でも長い事闘病生活だったとの事、
気丈に過ごされ飛ぶ鳥跡を濁さずの例え通り、
きちんと整理されたご覚悟のありようは、
ご立派なご最期でした。

草笛さんは従姉様の分まで長生きされて
ご供養されることが喜ばれる事でしょう。

   露の身は ここかしこにて消ゆるとも
     
       心は同じ  花のうてなに

いつかは私達も通る道、蓮の花の台にて
お会いしましょう、、、、
2013.06.17 01:23 | URL | #- [edit]
草笛 says... "まりりんごさんへ"
> それでも人前で歌う時は背筋を伸ばし魅力的な歌声だったようです。
はい、その映画観ました。
小さな・・身長は150cmぐらいだったそうです。

いえ、唄っているときはまだしも、ステージの上り下りが・・
もう、隠しようも無いようです。(^^ゞ
明後日は御同輩の前で5曲も歌いますが、
仲間にはもっと年配者もいますから、
内内ではなんとか我慢していただけます。

一方、医者は『歌うのは老化防止に良い』といいます。
悩みどころです。見栄と言うかプライドと言うか・・・
2013.06.17 19:07 | URL | #- [edit]
草笛 says... "今治りんどうさんへ"
几帳面さと豪胆さを併せ持っている素敵な女性でした。
本当に残念です。
それでも、いつかは別れるのが定めですものね。
年齢順なら諦めるしかありません。
2013.06.17 19:10 | URL | #- [edit]
草笛 says... "湘南ピースさんへ"
> 露の身は ここかしこにて消ゆるとも
> 心は同じ  花のうてなに

花の台・・・蓮の花でしょうか
そういえば、公文公さんが
天国に行ったら、生徒数に準じた大きさの蓮の葉が用意されていると
冗談めかして言って、顰蹙を買っていました。
本音だったのでしょう。
生徒数が多いことは、その分、世の中に役立っていると
考える方でしたから・・・

70歳を超えれば・・・覚悟が必要ですね。
2013.06.17 19:15 | URL | #- [edit]

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